ウルガ、満州の丘に立ちて

日露戦争で、ロシアは日本に負けたんですよね。
日本が思ってる以上の屈辱をロシアは受けただろうと思います。
日露戦争は、当時の小国である日本にとって大変な戦いで、
当然戦死した人も大勢いたんですよ。
日露戦争で戦死した友人を思って作られた歌が、「戦友」です。
同じようにロシアでも歌が作られて、。
それが「満州の丘に立ちて」です。
軍楽隊長が戦死した友人のために作った曲で、人気があったので詩がつけられて、
ロシアは言うに及ばず、東欧、北欧で人気の曲で、ベンチャーズのカバーで「さすらいのギター」として世界的にヒットして日本でもカバーされています。
詩は、東から黒雲がやってきてひどい目にあった、東からの黒雲に復讐というようなもので、
日本に対する復讐の歌なんです。
その後、第二次世界大戦があって、戦争末期の日ソ不可侵条約がなんとかとか、シベリア抑留とか、北方領土は戦争に勝って正当に手に入れたものだという今日のロシアの主張につながるわけです。
ウルガ」は羊の放牧で暮らしているモンゴルの遊牧民が羊を捕まえるときに使う道具の名前で、ロシアの映画監督、ニキータ・ミハルコフがモンゴルを舞台に作った映画の題名として日本でも知られていると思いますが、その映画「ウルガ」にロシア人のトラック運転手が登場しますが、その運転手が背中に刺青をしている、その刺青が楽譜で、その曲が、「満州の丘に立ちて」なんですよ。
日露戦争のあとに、日本でもロシアでも戦死した友人を思って、曲が作られた。
日本で作られたのは「戦友」でロシアで作られたのは「満州の丘に立ちて」です。
自分は基本的にメロディー好きなので、メロディーとして「満州の丘に立ちて」のほうがいいよなあと思うんですが、「戦友」だって、いわゆる軍歌じゃないし、反戦歌として歌っても通用する歌で、カバーすべき歌と思います。
この二曲は、ずっと気にしてるんです。