オオソリハシシギの渡りの異変

オオソリハシシギは東アジア・オーストラリアフライウェイの代表的な種のひとつです。

シギチドリの渡りには春に多く渡来する春型、秋に多く渡来する秋型、春秋同じように渡来する春秋型がありますが、オオソリハシシギは典型的な春型です。秋には成鳥は中継地に寄らずに繁殖地から越冬地に直行するのだと、近年になって判明しております。つまり秋に来るのはその年生まれの若鳥だけです。

20年程前には春に数百羽、秋に数十羽でしたが、だんだん減って、最近は春にも百羽を超えません。このパターンが今年、大きく変わりました。秋、10月になってから50羽以上来て、春よりも多かったのです。秋に来たのはやはり若鳥だと思われますが、考えられる理由は次のどちらかです。

1、繁殖がうまくいって、多くの若鳥が育った。
2、ほかの中継地の環境が悪くなって避難してきた。

オオソリハシシギも主要な中継地は黄海沿岸でしょうが、中国の経済発展によって黄海沿岸の環境が悪くなった、というのがありそうに思います。だとすれば、ここらは黄海沿岸に比べればあるかないかの小さな中継地ですが、重要だと言えるでしょう。

去年から今年の冬に鶴が来てたこととか、どうも大陸の環境が悪くなって、避難してきてるように思います。