岡田尊司著「回避性愛着障害」光文社新書の感想

愛着障害」という言葉をネットで目にして、関心をもって、本を一冊読みました。興味深い重要な情報を得ました。読んでない人は、ぜひ読んだらいいですよ。

要約

哺乳類は種の保存のための繁殖に必要なものとして「愛着」を発達させた。それは子供とその保護者(この本では基本的に母親としていて、父親の役割も重要、という書き方でした)の応答により形成される。人間では一歳半くらいまでの間に形成される。これがうまく形成されると、学校の成績がよく、社会に出てからも高い地位につき収入が多い傾向がある。何より幸福な家庭をもって子育てがうまくいく。

この「愛着」がうまく形成されなかった場合、人によりいろいろですが多かれ少なかれ、社会生活、家庭生活に問題を抱えることが多い。しかし、生まれてきた以上、誰もが幸せになるべきであり、できれば種の保存のために子供を育てるといいよ。「愛着」が形成されなかった場合は人によりいろいろですが、回避性、不安性など傾向はあって、自らの傾向を知ることは幸せに生きるための重要な情報ですよ。自らの傾向を知り適切に対応すれば、大丈夫。

近年、回避性愛着障害の人が増えている。彼らは体の中に「愛着」という仕組みがなく、社会生活にもそれなりに不適応だが、何より結婚して子供を育てるということが困難、困難というより、あるいはまったくそういうことが、ない。人間は種として存続できるかどうかの危機を迎えている。少子化は経済問題として語られることが多いが、実は回避性愛着障害の増加の問題なのである。貧乏人の子沢山という言葉があるが、経済的な困窮は、子供をたくさん産むんですよ。

というようなことが書いてあったです。
自分が一回読んでの要約なので、正しく読んでるかどうかは不明です。
この本ですが、内容はそれなりとして、編集はいまいちで、本としての完成度は低いと思いました。
これから子供を育てる人たちに対して、子供に「勉強しろ! 就職しろ! 結婚しろ!」ガーガー言うより、一歳半までの間に応答して、「愛着」を!』ということを、もっと強く主張し、押し出してほしいです。

巻末に愛着障害のタイプを調べる設定があるんですが、設問に答えて答えにより点数が決まってて合計点によりタイプを判定するものですが、10点で、そのタイプ、15点で非常に強くそのタイプ、ということですが、自分のことを言うと、21点で回避性愛着障害でした。