SF小説「車内化粧」

子供のころはSF小説を読んだことがあります。
子供はSF小説が好きだろうなと思います。
違う世界を見せてくれるということで。
自分はそのうち、SF小説って舞台が未来でも、登場人物は現代人だなと気づいて読まなくなりました。舞台が未来なら、未来人を登場させてほしいですよ。

「所長! 2010年代の日本の地下鉄文化について調べていて、驚くべき事実が判明しました! そのころの日本地下鉄車内では化粧がマナー違反として非難されてたというんです!」
「オーマイガー! なんということ! そのころには改札を入る時と出る時では化粧によって別人になっていなければならないという、地下鉄ルールは無かったということ!? 改札を入ったときの顔で改札を出ようとしたならば、屈強なロボットに阻まれて、(シャナイデケショウシテカオヲカエテコイ)そう言われることは無かったのね!? やっぱり、2010年代は、野蛮ね」
「2030年生まれで、本当に良かったです。車内で化粧をしていけないなんて、昔の人は大変な苦労をしてたのね! なんか、泣けてきちゃう!」
「そのころは未開で、駅のホームで立ってる写真を分析されて、(顎を引いて、お腹を引っ込め、肩は自然に落としてください。体全体が曲がっていて病気で苦しむ体形です。頭のてっぺんから糸で釣られている様な気で、左右どちらかに傾いてないか、ホームの鏡でチェックしてください)電車待ちの間にそういうアドヴァイスを受けたりできないの!? 暗黒時代!!」