40年くらい前、お墓を調達しようと、とある霊園に出かけました。
とりあえず眺めていたら、お墓の掃除をしている人が声をかけてくれて、
(墓がほしいのか? ちょうど今、墓石屋さんが来てるから、あいつに相談しろ。事務所のやつらは、なんも知らんで)
そう言ってくれました。
その墓石屋さんは、とても親切にしてくれました。
色々話してくれましたが、自分が覚えているのは、話よりも、その手です。
絶えず石を触っている、絶えず石を掘っている、石のような手でした。
代が変わって、たぶんその息子さんだろうと思うんですが、ちょっと、またお願いをしないかん。
あの手は、忘れられない。