30年間の沈黙

父の通夜の話です。
近所の人が集まって、
隣りのおばさんが、
「あんたのお父さんなんか、もっとはよう死ねばよかった」
と言いました。
私は、「はあ」とか言いながら、
誰かが、
「まあ、そう言わんでも。…。死んだんだで」
とか言うのかと思いましたが、
誰もそう言わないんです。
みんなが、「ほんとにその通り」
と、うなづいたんです。
そうだったのか。
(「だった」は発見の「だった」)
30年くらいたったので、もう、いいような気がします。