御在所岳

イメージ 1
>舞いも舞うた、謡いも謡う。はた雪叟が自得の秘曲に、桑名の海も、トトと大鼓(おおかわ)の拍子を添え、川浪近くタタと鳴って、太鼓の響(ひびき)に汀(みぎわ)を打てば、多度山(たどさん)の霜の頂、月の御在所ヶ嶽(たけ)の影、鎌ヶ嶽、冠(かむり)ヶ嶽も冠着て、客座に並ぶ気勢(けはい)あり。<

これは、泉鏡花の「歌行燈」の一部分です。
これを読むと、小説って、ストーリーじゃなく文章なんだ、という気がします。

写真は、雪で薄化粧した御在所ヶ嶽(たけ)です。