「波の上に遊びつつ魚を喰う」
これは「
伊勢物語」に書かれた都鳥(ユリカモメ)の姿です。
カモメは、ズグロカモメからユリカモメへと、舞い降りて餌を摘み上げるのから、飛びながらにして水面から餌を拾い上げるのへと、進化したのです。
くちばしは長くなりました。
進化したユリカモメは世界中に分布を広げましたが、進化しそこなったズグロカモメは、大陸の東端に、かろうじて生き残っています。
今ここにいる鳥には、過去からの物語があるのだと、ズグロカモメは教えてくれます。
そして、明日への物語も作れるのだと、教えてくれます。
写真は、新井さんに送ってもらったものです。