アコウの花

名古屋市港区の稲永公園で長く自然観察をしている。

体育館がつくられて、その前庭に10本ほどのヤシの木が植えられ、その椰子に何か別の木が寄生(?)しているなとは思っていた。

昨日2月4日にその木に寄ってみたら実がなっていた。

検索したところ、椰子はカナリー椰子で、これはアコウ、実のようなものは中に花がある状態ということです。アコウはかなり特異な生態の木で、身近にこんなものがあるとは気づいてなくて驚いた。

アコウは寄生しているのではなく、乗っかっているだけだそうで、常緑の森で地面から芽を出していては、日が当たるまで伸びるのが大変なので樹上で芽を出すことが多いのだそうです。アボカドのように大きな種で種の力で日の当たるところまで伸びていくやり方もあるが、小さな種で高いところで芽を出すというやり方もあるってことですね。

この実のようなものが緑色の時は中で花が咲いている状態で、アコウコバチというハチ、このハチだけが花粉を運んでくるという。アコウコバチはこの実のようなものの中で生まれ、花粉をつけてほかの実のようなものに飛んでいき、受粉と産卵をする。というわけでアコウコバチの寿命の都合で、アコウが自生している地では一年中いくつかのアコウは実のようなものの中で花が咲いてる状態だという。つまりアコウは1本や数本では生きられない、ある程度の個体数を有する「社会」がないと生きられない木だということです。びっくり。

アコウは南日本では自生しているが、この名古屋市では椰子について運ばれてきただけで、アコウコバチは来てないと思うので、残念ながら実は熟さないだろう。