2017-08-14 父の種なしブドウ 日記 #60代 戦前、父は、半島で果樹園をやってたらしい。敗戦で引き揚げてきて、その後、まあ、大雑把に言うと、パッとしなかったんですが、物干し台でブドウを育てていました。食べた後のブドウの種から芽が出たのを育ててたものですが、さすがに結構実はなっていました。 母は膠原病で3年間苦しんで亡くなりました。母の病室に父がブドウを持ってやって来て、「種なしになった」と言ってました。 父が帰った後、ブドウを食べながら、母が、「種なしになるはずがない。ウソを言って、買ったのを持ってきたな」そう言ってました。 母が亡くなり、父が亡くなり、立ち退きで、物干し台もブドウも無くなりました。