砂漠のオアシス

さて、私は、「月の砂漠」の、とぼとぼと歩いていくラクダの行く先について、
いろいろ考えたのですが、
ラクダまかせで、手も足もでない王子様とお姫様の行く末を案じたりしたのですが、
何百年ぶりかに出現したオアシスのほとりで繰り広げられる、
欲と愛の戦い、
打ち砕かれた銀の甕、
命の恩人と思ってた人が、実は悪巧みの張本人だった!
砂に消えた王国、
成長した二人の再会、
大団円に忍び寄る破局
果てしなく物語を考えたのですが、

どうでもいいことだから、
そばから忘れてしまいました。

砂の表面に風が刻む文様のような、
絶えず変化するのに、
結局似たり寄ったりの、
他愛のない物語が、
延々と続くのです。