立花の甘い香りを、風が運ぶんだとさ

用があって、浜松市引佐町に行きました。

一時間弱、早めに着いたので、そこらをぶらぶらしました。

井伊氏発祥の井戸、というのがありました。

井伊共保はここで生まれたらしい。

(なーにー? あんた。水汲みになんか来ていいの? 今日にも生まれるんじゃないの?)

(予定日はまだだで。今日は具合がいいで、みんなの顔が見たくて来たがね)

(やっとかめだがね。おやつもって来たで、食おまい。あんたも食べやあ)

(久しぶりに井戸に来て、ほんとに井戸は楽しいわあ)

(あ! ダメ! なんか! 生まれそう!)

(生みゃあ。生みゃあ。ここにはみんながおるで、心配いらんて)

 

井伊共保はそうして生まれて、井戸の横に立花が咲いていたので、立花を紋にしたという。

4月25日現在、立花はたくさんつぼみをつけていましたが、まだ開いてなくて、香りはしませんでした。

立花の花は、ほかのミカン類に比べ、小さい。

 

 

この井戸は、田んぼの中にポツンとある。井伊家に大切にされて、今日もきれいに整備されています。

回りの田ではスズメノテッポウが咲いて、向うの山には、椎が咲いています。