人間のかたち

野鳥の観察が好きで、普通より熱心に観察したと思う。

野鳥を観察して見つけたものは、人間のかたちです。

野鳥は、自分が偉いと思っている、そのことに迷いがないです。

人間は、自分が偉いと思いたがっている。そしてそのことに迷いがあります。

これが野鳥と人間との、決定的な違いであり、人間と、人間以外の生き物との決定的な違いです。

生命は代謝の系であり、動物にとっては、何をどのように食べるかが重要で、それがその動物のかたちを決めます。

人間のかたちも、人間の食べ物によってつくられています。

人間は木から降りた猿だという。

木の上の猿は木の上で食べ物を得ていた。

木から降りて、食べ物のすべてをなくしたんですよ。

その時生き延びるために、食べるものはたった一つしかなかった。

自分の子供です。

それを食べて生き延びた人間は、

食べるんじゃなかった!

自分は偉いから食べてもいいんだ!

この二つの気持ちの中で、揺れ動くんですよ。

これが文明を産んだ。

これが人間のかたちです。